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2022年12月の4 救世主を求める心理

救世主を求める人々がいます。誰か救世主が来て、目の前の問題を何でも解決してくれると考えている人がいます。人が救世主を求めるのはなぜでしょうか。救世主を求める心理は、どのように引き起こされるのでしょうか。私たちが「救世主に来てほしい」と心から願うようになったとき、何に気をつけなくてはならないのでしょうか。救世主を求める心理とその要因、そしてその危険性について考えてみましょう。

2022年12月の4 救世主を求める心理

救世主を求める心理は、苦しい現実と将来への不安の裏返しです。
今はとても苦しくて大変だ。いつまでこんな苦しい状況が続くのだろう。このままではうまくいかない。だんだんじり貧になっている。いつか行き詰ってしまうかもしれない。・・・
そんな不安な状態で日々を過ごしていると、だんだん人は現実から逃避したくなります。そうして、いつか救世主がやってきて、何もかも解決してくれたらいいのに、という願望を持つようになります。
場合によっては、「きっと救世主がやってくる」といった信念を持つようになって、現実を受け入れるのを拒絶することもあります。まさに、現実逃避です。
救世主を求める心理には、さまざまな要因があります。ひとつには、自分の間違いを認めたくない心理があります。また、今までやって来たことを変えたくない心理もあります。さらに、目の前の問題を他人のせいにしたい心理もあります。それぞれ別の言い方をしましたが、それらはすべて「自我を守る」ためと言うことができるかもしれません。自我を守るため、現実を拒否して救世主にすがるのです。
救世主を求める心理には危険性があります。ひとつは、自分の間違いを認めず、現実を受け入れられなくなってしまいやすくなります。また、いきなり現れた本性のわからない赤の他人を「この人はきっと救世主だ」と思い込んでしまい、なにもかも信用してひどいことになってしまうおそれがあります。さらに、救世主が現れないと社会への不満が爆発して暴力的になったり、あるいは悲観的・自滅的な心理になりやすくなったりします。
もし自分が救世主を求める心理になったときは、すこし落ち着いて反省してみましょう。自分は何か間違ったことをしていないでしょうか。向かうべきでない道を進んでいないでしょうか。あるいは、いまとるべき行動をとっていないのではないでしょうか。
世の中を変えることは簡単ではありません。でも、自分の考えや行動を変えることはできます。悲観的になったり、自暴自棄になったりする前に、自分の考えや行動を反省し、その間違いに気づきましょう。そうして、自分自身の行動を変えていきましょう。
救世主を求める人々に出会ったときは、その人々をよく観察しましょう。彼らの発言や行動をいきなり否定するのではなく、よく観察することでその要因について考えてみましょう。そうして、修正すべき改善点が見つかるのであれば、助言するのもいいでしょう。彼らにムリに改善を押し付けるのは逆効果かもしれません。親切心で助言するにしても、あくまで彼らが自主的に改善したくなるような話し方をしましょう。
「いつか救世主が来て何もかもを解決してくれる。そんな日がやってきてほしい。」そう思う気持ちもわかります。でも、その日が来るまでなにもしないのはいけません。日々、自己反省と努力を続ければ、たとえ救世主がスグには来なかったとしても、より良い未来がやってくるはずですから。


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