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外国に頼らない

国の安全を外国に頼るというのは、危険この上ない考えかたです。外国が自分たちをいつまでも守ってくれるという保証はどこにもありません。それに、守ってもらうためにその国の言いなりになってしまいます。

外国に頼らない

国防は国家の一大事です。そして国家の安全は自分たちで守るのが一番です。外国との同盟はもちろん重要ですが、よその国に軍事的に依存しすぎるのは国家を危うくします。同盟を組む時は必ず、同盟国が自分たちを頼りにし、自分たちと同盟を組みたいと思わせることが大切です。自分たちが同盟国を頼りにし、自分たちが同盟を組ませてくれと頼み込むのは、国民や国家を危険に陥れます。
同盟国には同盟国の国益があります。同盟を組み、こちらの国を守ることが同盟国の国益にかなうことなら守ってくれるでしょうが、同盟国の国益にかなうことでないのであれば、守ってくれないでしょう。
そのような危うい防衛を頼みにしているのでは、他国から軍が押し寄せてきたときに本当に国家を守れるのかどうか、また同盟国が本当に援軍を送ってくれるかどうかは分かったものではありません。たとえ援軍を送ってくれたとしても、到着が遅れれば大きな被害を受けることになります。
優秀な政治は他国の軍を頼みにはせず、自国の防衛力強化に励みます。同盟を組むにしても同盟国に守ってもらうのではなく、同盟国が軍を出さざるを得ないような状況をつくりだすことが大切です。

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人間観

法無きは争いのもと
人は多かれ少なかれ社会に帰属し、社会の中で生活しています。ひとりでは食べ物や住居を確保するのも大変です。厳しい自然環境の中で生きていくためには社会をつくり、お互いに支え合うことが大切です。
権力と人間の欲望
社会組織が正常に機能するためには、法をうちたて、秩序を乱す人を取り締まる必要があります。人が集まると秩序を乱す人が現れるものです。秩序を乱す人を取り締まるためには、組織としての権力が必要です。
個人的弱点を補うもの
組織は人の集まりです。人にはそれぞれ、個人的な弱点があります。しかし組織になれば、その弱点を見えないようにして、強みを活かしていくことができます。人々がお互いに助け合うことで組織はそのチカラを発揮します。
愛情ではなく法
組織のリーダーは、組織内の人々を治めていかなくてはなりません。人々をおさめるのは、法によって行います。リーダーによる仁徳の心や、愛情だけで組織内の人々を納めていこうとすれば、そこにはさまざまな問題が発生します。
好き嫌いの感情
人間には好き嫌いの感情があります。人や物事に対して好きになったり、嫌いになったりするのは人間の心にはつきものです。しかし、社会組織を構成する人々が好き勝手に自分の感情に任せて動いていたら、おおきな問題になります。

統治の法

法は単純明快であるべし
法は組織を正常に機能させ、強化させるものです。そのためには法は単純で明快でなくてはなりません。単純・明快でなければ人々には理解されません。読んでわからない法は守ることができません。
賞罰を公正に実施すべし
法が立てられていても、その法に基づいて賞罰が行われなければその法は効力を持ちません。法に従っても賞が得られず、法に従わなくても罰を受けないのであれば、人々は法を無視するようになるでしょう。
人々の行動パターンを利用する
法を立てることは、人々の動きを規制するだけでなく、人々に行動を促すという目的もあります。社会組織の中で人々が自分勝手にふるまうのを防ぐのも大切ですが、国のために仕事に精を出すよう仕向けることも同じく大切なことです。
厳しい法を断行すべし
「良薬は口に苦し」といいます。良い法は人々に厳しく、それゆえ法をうちたてるのに反対する人たちもたくさんいます。多くの人々は、目先自分が苦しみたくないばかりに、楽な方法を選びたがるのです。
占い・弁論に頼らず法に頼る
国家を運営するには、占いや弁論に頼るのではなく法に頼るべきです。そもそも政治で占いを頼りにするというのは論外ですし、弁論も時代の雰囲気や人々の思惑によって変化するものですから頼りにはなりません。

法を補う術

弁士をしりぞけるべし
弁士とは弁の立つ者、弁論によって人を言い負かし、利益を得ようとする者のことを言います。弁士は様々なことにいちゃもんをつけ、人々を混乱に陥れるからです。弁士の存在は、法による秩序を乱します。
好き嫌いを悟られない
国政に携わる者は自分自身の好き嫌いの感情を人々に悟られないようにしなくてはいけません。好き嫌いの感情が人々に知られると、周囲の人々があの手この手でそこにつけ入ろうとし、ついには国政が危うくなります。
人の情報はうのみにしない
政治は情報が命です。常にアンテナを張り巡らし、的確な情報を入手する体制を整えておくことが健全な国家運営には欠かせません。しかし、入ってくる情報がすべて信頼できるというわけではありません。
権力はあけわたさない
組織は法がしっかりしていてこそ正常に機能します。法がしっかりしているとは単純明快な法がうちたてられ、その法に基づいて正しく賞罰が行われていることです。正しく賞罰を行うためには権力が必要です。
自分からは動かない
先手必勝という言葉があります。相手が準備していないところで先手を打ち、一気に攻めて勝ち取るという戦法です。しかし、国家戦略においては、むしろ先に動くと戦いに敗れることが多いようです。
情に任せて法を曲げない
人間、情が入るとついつい法を曲げたくなります。盗みを働いてもその人がかわいそうな身の上だと聞くと、罪を許してやりたくなります。逆に、被害者に同情したい要素が多いと重い罪にしたくなります。
外国に頼らない
国の安全を外国に頼るというのは、危険この上ない考えかたです。外国が自分たちをいつまでも守ってくれるという保証はどこにもありません。それに、守ってもらうためにその国の言いなりになってしまいます。

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