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国家と戦争

国家はその存続のために戦争をしなくてはならないときがあります。戦争は、国力を著しく消費し多大な被害をもたらします。それでも、戦争に勝利すれば国家としての強さを示すことができます。しかし場合によっては国家がきわめて弱くなり、国家そのものが滅亡してしまうこともあります。戦争を選ぶのも、戦争を回避するのも、国家にとってはリスクがあります。戦争は短絡的に考えてはならない極めて重大な問題です。

国家と戦争

戦争とは武力による国家間の争いです。国家が武力を選択するのは極めて重大なことですから、よくよく慎重でなくてはなりません。しかし、慎重に判断するとは単に判断を先延ばしすることではありません。戦争を選ぶべきか、戦争を回避するべきか、実際に大きな問題が発生してから迷っていては手遅れになってしまうかもしれません。判断は迅速でなくてはなりません。ぐずぐずしていては後手に回り、手遅れになる危険が高まります。国家の指導者は即断即決で開戦可否の判断をしなくてはならないときがあります。
とっさのときに迅速に判断できるためにも、国家の指導者は軍事や戦争についてよく学んでおかなくてはなりません。また、国家は常に起こりうる戦争への準備をしておかなくてはなりません。平和ボケによって戦争への準備を怠っていては、国家を滅亡に追いやりかねません。
特に重要で難しいのは、戦争を回避する方法を学ぶことです。相手国の威嚇におびえて頭を下げるだけでは、国家のメンツはまるつぶれです。国家のメンツをつぶさないためには、外交を駆使し、ぎりぎりまで交渉し、必要なら相手国を威嚇し、最悪の事態を回避しながら自国の国益を最大限守る方法を見つけ出して手を打っていくことが国家の指導者には求められます。最高の策は「戦わずして勝つ」ことです。最低の策は「戦わずして負ける」ことです。多くの死者を出し、国家を疲弊させる戦争はしないに越したことはありません。しかし、戦争をひたすら回避するあまり、相手国になめられるようではいけません。
戦争は二国間のみで行われるわけではありません。力のある敵国と対抗するためにも、友好国をつくり同盟を結ぶことが大切です。同盟国を選ぶには地理的、政治的影響とともに、その相手国の歴史や特性をよく考えなくてはなりません。どの国とどんな同盟を結ぶかによって、国家の命運は大きく変わってきます。その同盟は仮想敵国に対抗するのに有効でしょうか。同盟を結んだ相手国が敵の多い国で、その同盟によって敵を増やす結果になっていないでしょうか。同盟相手は紳士としてのつきあいができる国でしょうか。裏切らない、信頼できる国でしょうか。
戦争を始めたら、それを終わらせることを考えなくてはなりません。出口戦略の無い戦争は国家を破滅させます。戦争は長引くと多くの人々が死に、国家が疲弊して苦しむことになります。戦争においては様々なシナリオを考えたうえで、そのシナリオごとに出口戦略を立てねばなりません。戦争は始めるよりも、終わらせるほうが難しいのです。国家の意思で終わらせることができない戦争はするべきではありません。また国家は常に自国とその国民を守るために「戦争を終わらせる勇気」を持たねばなりません。
戦争が終わったあとのあとしまつも大変です。戦争する際には、その後始末で国家が苦しむことのないよう、自国に過大な責任が覆いかぶさらないような手を打っていくことも重要です。
戦争は自分がするものではなく、外国にさせるものである、という考えがあります。自らの軍隊を消費せず、外国同士で戦わせて漁夫の利を得ようというのです。実際、戦争するより、外国同士が衝突している間に商売で稼いだ方がよっぽど国家は繁栄しやすいでしょう。
外国によって戦争をするように仕向けられることもあります。隣国との関係が悪化するのは、ひょっとしたら第三国によって対立を煽るような工作が行われているからなのかもしれません。漁夫の利を得ようとする外国の罠にはまって戦争に突入する愚を犯さないよう、国家はよくよく気をつけなくてはなりません。
戦争を体験すると国家の戦争に対する経験値があがります。戦争に勝ち続ければ国家の軍隊が強化されていきます。ただし、ひとたび戦争に負けると、場合によっては壊滅的に打撃を受けることもあります。戦争を常に回避し、長い年月の間戦争をしないと、国家としての戦争に対する経験値が下がります。戦争を経験しないことで軍隊が弱くなるおそれがあります。戦争を好んで滅んだ国もあります。戦争を避けてばかりいて外国に襲撃されあっさりと滅んだ国もあります。戦争を好みすぎるのも、戦争を避けすぎるのも、滅びの道につながります。
国家の戦略を広く考えれば、武力による衝突のみが戦争であると限定すべきではありません。冷戦もまた戦争のひとつと考える必要があるかもしれません。たとえ開戦し直接武力は行使していなくても、武力を見せつけることによる威圧外交、資源の禁輸措置などによる相手国の軍事力強化に対する妨害、外交や条約を駆使した特定の国に対する包囲網の整備、他国の反政府勢力への支援などによる内乱の誘発など、「平時」においてもさまざまな手段で「冷戦」は行われます。
情報・インテリジェンスをめぐる戦いもまた戦争といえるかもしれません。正義や人権に関して自国を正当化する思想や言論を他国に浸透させる教育、プロパガンダ、メディア工作など、国家は自国を守るために必要であればやるべきですし、また同時に外国の工作によって自国国民の言論や思想が危険な方向に進んでいないか注意する必要があります。
国家は国益を重視し、国家繁栄のためにはどう行動するのかが最善かを常に考えなくてはなりません。戦争をするにしても、しないにしても、それが最善の手であるかどうか、国家は常に問い続ける必要があります。

国家の繁栄とは国民が富むことである

国家は人で成り立ちます。国家を構成するのはその国家に所属する国民です。国家が繁栄するとは、その国民が富むことです。国民が豊かにならずして国家の繁栄は成り立ちません。多くの国民が富むためにも、企業活動を活発にし、経済を発展させていく必要があります。そのためには、人や企業が活き活きと活動できるような環境づくりが必要です。

国家の存在理由

国家は国民が帰るべき家として、安心して生活できる場所でなくてはなりません。そこには生活の基礎となる居場所や仕事とともに、仲間がいて、力を伸ばすための競争があって、心豊かになる文化があって、いつでも学べる教育システムがあると良いでしょう。国家は国民がより豊かになるためのチャンスを提供し続けることが必要です。国民がここで一生を過ごしたいと思うような場所であり続けることが、国家の存在理由です。

国家が尊重すべきこと

国家は国体を尊重しなくてはなりません。国体が汚され、あるいは国体そのものが失われてしまうようでは、国家が落ちぶれるどころか、国家としての存在理由すら失ってしまいかねません。国家は国体を永続的に尊重すべきであり、決してなおざりにしてはなりません。国家は国体によって成り立ち、国体は国民に支持されることによって成り立つのです。

国家の危機管理

危機管理は国家の重要課題です。国家を陥れる危機を予測し、把握し、管理していくことは国民が安心して生活するためにも必要不可欠です。直接的でわかりやすい危機としては外国の軍事的脅威や災害、疫病、犯罪、国内での暴動などが考えられますが、危機はそれだけではありません。政府や国民の怠惰や悪習も、ゆっくりながらじわじわと国家を破たんの方向へと導いていく見えにくい危機です。

国家のインテリジェンス

国家はインテリジェンスを駆使して自らの存続、発展をはかっていかなくてはなりません。知識や情報を上手く国家の存続や発展に寄与させていくためには、インテリジェンスとその積極的活用が不可欠です。国家を繁栄させるためにも、国民がインテリジェンスとその活用をしっかり学ぶことが求められます。

国家の教育

国家の繁栄のためには教育は欠かせません。国家がどのように教育をしていくかによって、国家の運命は大きく変わります。繁栄する国家は教育にしっかり力を入れています。教育は時代と共に発達させていかなくてはなりません。偏った時代遅れな教育を続ける国家はだんだん衰退していきます。どのような教育にしていくかは国家の繁栄を左右する重要課題です。

国家の健康

国家が繁栄するためには、なによりも国家自身が健康であることが大切です。国家が病気を抱え、元気を失っている状態では、繁栄どころか、存続すら危うくなります。健康を維持するためには、国家を蝕む病気を治療・予防するとともに、つねに健康状態を保つための習慣づけをする必要があります。国家の健康は、国民の安全と健康のためにも重要です。

国家の産業発達

国家が繁栄するためには、産業の発達が欠かせません。産業が発達すれば、雇用が増え、人々の収入が増えることが期待できます。収入が増えて人々が豊かになれば、自然と税収も増え、国家予算を増やすこともできます。うまく産業を発達させるには、国家として何をどうするべきでしょうか。産業発達のための環境づくりをすることが、国家を繁栄させるには重要です。

国家の軍事

軍事は国家の重大事です。軍事をおろそかにする国家は滅亡します。国民や国家の資産を外国の脅威などから守るためにも、国家はしっかりと軍事力をつけておかなくてはなりません。しかし、軍事費を膨張させすぎると国家にとっては大きな負担になります。国家を繁栄させるために軍事をどうしていくべきか、国民はしっかり考えていかなくてはなりません。

国家の福祉と防災

国家は国民が安心して暮らせるよう、福祉と防災に努めなくてはなりません。福祉として国家がやれることはたくさんあります。また災害はいつどのような規模でやってくるかわかりませんから、常に備えておかなくてはなりません。しかしながら、福祉や防災が国家の財政を圧迫し、国家の運営を危うくするようではいけません。

国家と税

国家を運営するには国費がかかります。国費は基本的には国民から強制的に徴収する「税」によって賄われます。税をどこからどのようにどのくらい徴収するかによって国家の運営は大きく変わってきます。租税のありかたによって市場経済や国民の生活、国家の防衛力、貧富の格差、不正や治安、国民の教育レベルなどが影響をうけます。国家は中・長期にわたって国家が繁栄するような租税のありかたを見つけ、採用していかなくてはなりません。

国民の生活

国家が繁栄しているかどうかは結局のところ、その国民がどのような生活をしているかによって決まるといっていいかもしれません。多くの国民が苦しく、みじめな生活をしているのでは、その国は繁栄しているとは言えないでしょう。国家の繁栄にはなによりも、国民生活の全体的な向上が必要です。国民の生活が良くならなくて国家の繁栄はありません。

国際政治

国家はいやおうなく国際政治に巻き込まれます。国家は自国の主権と国民を守りつつ、国際政治の中で生き抜いていかなくてはなりません。さらに、国家が繁栄していくためには、国際政治に振り回されないよう自国の政治体制を強化するとともに、国際政治での存在感や発言力を強めていくことが求められます。世界各国も思惑が交錯する国際政治の中で国家繁栄を目指すには、長期的なプランと地道な発展努力が求められます。

国家と戦争

国家はその存続のために戦争をしなくてはならないときがあります。戦争は、国力を著しく消費し多大な被害をもたらします。それでも、戦争に勝利すれば国家としての強さを示すことができます。しかし場合によっては国家がきわめて弱くなり、国家そのものが滅亡してしまうこともあります。戦争を選ぶのも、戦争を回避するのも、国家にとってはリスクがあります。戦争は短絡的に考えてはならない極めて重大な問題です。

国家とグローバル経済

経済のグローバル化は進んでおり、国内の動向だけを見ているようでは国内経済はうまく発展しません。世界の経済動向を見たうえで、その中で国家経済の発展を目指していく必要があります。いまやどこにいてもグローバル経済の影響を避けられず、国家の繁栄のためにも世界の中での競争力向上に取り組むことが求められます。

国家と幸せの追求

国家は、国民たちがそこにいて幸せを感じるような場所であることが好ましいでしょう。国民の大多数がより幸せになるような政策を追求していくことが国家には求められます。国家が繁栄するためにも、国民が豊かになるとともに、幸福感が増していくことが望まれます。まずは、国民が幸せになるにはどうすればいいか、しっかり考えていきましょう。

国家と歴史

国家は歴史をつくります。せっかく歴史をつくったからには、それを国家の繁栄のために活用していきたいものです。国家の歴史を読むことによって、国民が勤勉になり、過ちを犯さず、国家のさらなる繁栄のために尽くそうと思うのなら、そんな好ましいことはありません。歴史をつくっていく際には、後世にその歴史を読んだ人がより良い国家づくりを目指そうとおもうような歴史にしていきたいものです。

国家と遺産

国家はその活動によって様々な遺産を遺します。国家が残す遺産を見て、後世の人々はその国家を評価することでしょう。どのような遺産を遺すかが、その国家の将来的価値を決めるといっても過言ではありません。国家が活動をするときは、それが将来にどんな遺産として残り、それが後世にどう評価されうるのか、意識しておいた方がいいかもしれません。

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