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持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

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SDGsとかつての共産主義との類似について

SDGsは共産主義、あるいは社会主義の一種と評されることがあります。実際、SDGsはかつての共産主義と類似した傾向を持ちます。SDGsを理解し取り組んでいくにあたっては、共産主義との類似点にも注意していく必要があります。ここでは大まかに6つの類似点を取り上げ、その傾向と危険性、注意すべき点について考えていきます。大切なのは、全面的な肯定でも全面的な否定でもなく、より良い未来につながる道がどこにあるのかを見つけ出すことです。

SDGsとかつての共産主義との類似について

類似点1:「標語」が理想的で聞こえがよく、インテリ・知識人の賛同を得やすく、人々が「正しいことをしている」と信じ込みやすい

SDGsはとても理想的で、聞こえの良い標語が多く並べられています。また、SDGsはインテリ・知識人たちの賛同を多く集めており、人々がそれを「正しいことだ」と信じ込みやすい状況にあります。
かつての共産主義も、理想的で聞こえの良い標語を並べて社会の現状に不満を持つ労働者たちを誘惑してきました。また、19世紀から20世紀にかけて多くのインテリ・知識人たちが共産主義に賛同することで、一般人が共産主義を正しいことだと信じ込みやすい状況がありました。
そのような状況で多くの人々が共産主義に熱中し、革命がおきるなどして共産主義国家になった国々は少なくありません。ではそのようにして20世紀に生まれた共産主義国家たちはどのようになったでしょうか。掲げられた理想とは程遠い、希望の無い苦しみに満ちた社会になってしまったのではないでしょうか。
SDGsの現状を見ていると、かつての共産主義と非常に類似しているといわざるを得ません。聞こえの良い標語に誘惑され、インテリ・知識人たちの支持を得て、SDGsに否定的な人々が激しく非難され、多くの人々がSDGsに熱中して取り組んでいるうちに、もしかしたら人々が希望を失い苦しみが満ちあふれるような社会になってしまうかもしれません。

類似点2:「現実を無視した理想の追求」が「社会全体の悪化」につながりやすい

SDGsに取り組んでいくには、常に「社会全体への影響」を考えなくてはなりません。「現実を無視した理想の追求」が「社会全体の悪化」につながってしまうことは珍しくないのです。また、特定の国々が積極的に取り組んでも他の国々が取り組まなければ、かえって地球全体には悪い結果をもたらすことになります。
かつての共産主義は 富や生産設備を資本家から奪い取ってすべて国有化することで、完全に公平で理想的な社会を実現できると考えていたようです。しかし、国有化によって富や生産設備が国家に集中することは汚職や腐敗を招き、また競争原理の欠如によって生産性の低下を招くことになります。そもそも、「奪い取る」という行為そのものが恨みや憎しみなど、社会に大きな歪みをもたらします。いくら「理想的にはこれが正しいはずだ」と思っても、社会全体にそれが良い効果をもたらさないのであればやめるべきです。
SDGsでは例えば、「石油の消費は地球温暖化をもたらすから、油田開発をやめるべきだ」と考える環境意識の高い人々がいて、政府や投資会社などに圧力をかけて、油田開発への投資をストップさせようとします。油田開発がストップすれば、石油などの化石燃料の価格が高騰することになります。燃料価格が高騰すれば、暖房費や輸送費が上昇します。食料品の価格も高騰します。そして、食料が買えなくて飢える人々や、暖房を利用できずに苦しむ人々、場合によっては凍え死ぬ人々が増えることになります。
化石燃料への投資をやめようとする動きが高まるなかで、その動きを無視して油田開発を続ける国があれば、その国は価格の高騰した石油を売ることができるので大いに儲けることができます。SDGsの意識高い人々が多い国、油田開発をやめた国が苦しみ、SDGsの意識が低い国、どんどん油田開発を続ける国が恩恵を受けて儲かりやすくなります。SDGsに取り組む国ほど衰退し、SDGsを無視する国ほど栄えるのであれば、SDGsを無視した方が有利だということになります。真面目で誠実な国が衰退し、ひたすら利己的な国が栄えるのであれば、世界はどんどんおかしな方向に突き進むことになります。現実を無視して理想ばかり追求しているのでは、地球社会全体が悪化してしまいます。

類似点3:対立や分断、非難合戦を生じやすい

SDGsは対立や分断を生む原因になります。また、SDGsを盾にして企業や個人を攻撃する人も増えてきます。SDGsが広まることによって、社会は対立や分断、非難合戦を生じやすくなります。
かつての共産主義は、搾取する資本家と搾取される労働者という対立構造に焦点をあて、資本家を非難することによって分断を煽り、労働者による暴力革命をけしかけようとしてきました。また、共産主義者同士でも対立や分断が発生しました。多くの共産主義国家において粛清や軍隊を使った暴動鎮圧が繰り返し行われ、おびただしい数の人々が犠牲になり、不幸に陥りました。
SDGsの出現によって、特定の企業や政治家、あるいは国家を環境問題に取り組んでいないと非難する人々が増えてきました。SDGs賛成派と懐疑派とで対立、分断が発生しています。SDGsが広まることで、対立と分断が激化し、非難の応酬によって社会が荒んでいくことが危惧されます。

類似点4:SDGsに取り組むことで「陰謀」に操られやすい

SDGsを「正しいことをしている」と信じ込んで積極的に取り組む人々は、いわば「だまされやすい人々」といえるかもしれません。SDGsに取り組んでいる多くの人々は、実は誰かの「陰謀」によって操られているのかもしれません。
かつての共産主義による暴力革命は、実は特定の人々が富を独占しようとたくらんで仕掛けた「陰謀」だったという説があります。実際、聞こえの良いスローガンに誘惑されて革命に参加した民衆たちは、多くの場合、革命前よりもひどい搾取を受けるようになってしまいました。共産主義革命に参加した貧しい一般民衆たちは、今にして思えば聞こえの良いスローガンと知識人の賛同にダマされたといえるかもしれません。よりよい社会が実現できると信じて革命に参加したのに、かえってひどい社会になってしまうとは不幸な話です。だまされやすい人々ほど、耳触りの良いスローガンには気をつけなくてはなりません。
SDGsを「正しいことだ」と信る人々も、だまされやすい人々だといえるかもしれません。たとえば、石油などの化石燃料が悪だと宣伝するさまざまなキャンペーンは、原子力発電や太陽光パネルの利権で儲けている人々が、さらにそれらの利権を増やして儲けようとたくらんで仕掛けているのかもしれません。正しいことをしているつもりが、いつのまにか誰かの「陰謀」によって操られ、その人たちの「利権」に奉仕している結果になってしまいます。ダマされやすい人々が本来であれば望まないような方向に突き進んでしまうのは悲しいことです。

類似点5:独裁国家・自由のない国が台頭しやすい

SDGsが世界に広まると、自由で民主主義的な国家が衰退し、独裁国家・自由の無い国が台頭しやすくなります。SDGsは全体主義と親和性があり、自由や民主主義とは対立しやすい傾向があります。
共産主義思想が広まるとは、全体主義、共産党による一党独裁国が増えることを意味します。つまり、自由で民主主義的な国家の衰退と、自由の無い一党独裁による国家の台頭を意味します。
共産主義国では一つの理想に対して基本的にはすべての国民が賛同しなくてはなりません。人々が好き勝手に反対したり、勝手な行動をしたりする行為は、基本的には共産主義国では許されないのです。
SDGsにおいても、人々が好き勝手に反対したり、勝手な行動をしたりする社会ではその目標は遠のいていきます。SDGsの目標は、自由や民主主義とは反対方向にあります。SDGsの目標を実現しようとすればするほど、人々の自由な行動や反対意見は邪魔になってきます。SDGsが広まるとは、社会において人々が自由に意見を言えなくなり「全体への奉仕」が強制されるようになることを意味することかもしれません。

類似点6:ごまかし、汚職、ウソ、隠ぺいが横行し、利権構造が社会を支配しやすい

SDGsは正直者が損をする仕組みです。SDGsが社会にひろまるとともに、ごまかし、汚職、ウソ、隠ぺいが横行しやすく、また利権構造が社会を支配しやすくなります。
共産主義国ではごまかし、汚職、ウソ、隠ぺいが横行し、利権を握る特権階級が支配していたといわれています。革命によって公平で差別のない理想的な国家を建設したはずが、蓋を開けてみればウソや汚職だらけだったのです。
SDGsが広まることによっても、ごまかしやウソが横行しやすく、利権構造が社会を支配しやすくなると考えられています。一つ一つの個別の案件について、何が真実で何がウソであるのかをすべて調べ尽くすのは困難です。むしろ、SDGsはウソやごまかしの温床になりやすい構成になっており、まじめに取り組んでもただ誰かが私腹を肥やす利権づくりの手伝いをすることになりやすいです。

SDGsに取り組んでいくにあたっては、これら6つの共産主義との類似点にも注意し、用心するとともに、社会を悪い方向に向かわせないよう、より良い道を見つけ出す観察力を養っていく必要があります。


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