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持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

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世界全体への影響について

SDGsは世界情勢に大きな影響をあたえます。SDGsに積極的に取り組む国もありますしSDGsに背を向ける国もあります。SDGsを推進することで有利になる国もあるでしょうし、逆にSDGsが広まることによって不利になる国もあるでしょう。SDGsへの取り組みが思わぬ影響をもたらすこともあります。またSDGsが世界に悪影響を与えたりもします。私たちは世界情勢の動向を注意深く観察し、SDGsが実際に世界にどのような影響を与えているのか気をつけなくてはなりません。

世界全体への影響について

すでに、SDGsは世界に大きな影響を与えています。SDGsという崇高な理念に向かってまい進しようとする人々がいることによって、世界はさまざまな影響を受けているのです。
例えば、石油や石炭が地球環境に悪影響を与えると考えて、SDGsへの取り組みのために油田開発や石炭火力の発電所が多くの国々で停止されるとします。そうすると、世界はどのような影響を受けるでしょうか。
まずは原油価格などのエネルギーの高騰が始まります。使える発電設備が使用停止となれば、電力会社は赤字に陥るか、電力価格への転嫁が必要になります。原子力エネルギーへの依存も高まっていくことでしょう。理想的な自然エネルギーが普及していけばよいのでしょうが、開発・運営コスト等の課題もあり、そう話がうまくいくわけではありません。
原子力エネルギーへの依存を高めたくない国は、高騰する原油を買い続けなくてはなりません。そんなとき、油田開発を続ける国があれば、その国の原油輸出が増えることになります。
すなわち、石油を地球環境にとって悪だとみなして多くの国々が油田開発をやめてしまうと、油田開発をやめることなく続けていた国は高騰する原油を輸出することができ、大いに儲けることができることになります。SDGsに背を向ける国のほうが恩恵を受けやすい、という皮肉な結果になりかねないのです。
また、燃料価格の高騰は貧困層の生活を直撃します。「環境のため」という理念の推進は貧困の拡大や悪化をもたらすおそれが少なくありません。
世間で行われているSDGsへの取り組みは、俯瞰してみると決して良い方向に向かっているとは言い切れません。それぞれのSDGsへの取り組みについてはその世界全体への影響の精査が必要であり、見直しをしていかなくてはならないものがすくなくありません。


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