持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>15「陸の豊かさも守ろう」
SDGsの15番目は「陸の豊かさも守ろう」です。目標は「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」としています。生態系は生物が食物連鎖など様々な関連を持ちながら構成されるいわば生物によって構成される社会です。そして森林は生物環境を構成する重要な自然環境のひとつです。また生物多様性とは多様な生物が存在していることをいいます。
陸は私たちが生活し活動する拠点です。陸にある豊かな自然や資源を利用して私たちは生活しています。陸の豊かさが失われれば、私たちの生活は多大な打撃を受けますし、場合によっては生きる場所が無くなってしまいます。
人間の活動によって生態系や森林が失われ、砂漠化や土地の劣化が進んでいるのであれば、私たちはその活動を見直し、行動を変えていかなくてはなりません。そうでなければ、陸上は砂漠や劣化した土地だらけになってしまいかねないのですから。
企業においては、事業活動を進めるにあたって、自社の活動による陸生態系や森林への影響を把握し、悪影響を及ぼさないようにしていくとともに、陸の豊かさを守るための対策への支援や啓発活動に参加していくことが求められます。
なお、国連は「陸の豊かさも守ろう」に関して12項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「陸の豊かさも守ろう」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。
ここでは、陸域および内陸の淡水生態系の保全等に関する国際協定の義務履行について書かれています。
企業としては、開発事業などを行うにあたり、活動地域の生態系保全に関する義務について把握し、その義務を順守するとともに、保全義務を履行しない業者等と取引しないようにしていくことが求められます。
ここでは森林の保護、回復と持続可能な管理について書かれています。
企業としては、事業活動において森林への影響を把握し、その悪影響を最小化するとともに、森林減少の阻止や森林の回復についての啓発活動に参加していくことなどが貢献策として考えられます。
ここでは砂漠化と土地劣化に対する対策について書かれています。
企業としては、事業活動が砂漠化と土地劣化の原因になっていないかを把握し、その悪影響を最小化するとともに、砂漠化と土地劣化の阻止や土地と土壌の回復についての啓発活動に参加していくことなどが貢献策として考えられます。
ここでは生物多様性を含む山地生態系の保全確保について書かれています。
企業としては、事業活動が山地生態系破壊の原因になっていないかを把握し、その悪影響を最小化するとともに、山地生態系の保全確保についての啓発活動に参加していくことなどが貢献策として考えられます。
ここでは絶滅危惧種の保護と絶滅防止のための緊急対策について書かれています。
企業としては、何らかの開発をする際など、絶滅危惧種に悪影響を与えないかを把握し対策を講じるとともに、絶滅危惧種の保護いついての啓発活動に参加していくことなどが貢献策として考えられます。
ここでは遺伝資源の国際合意に基づく利用等について書かれています。
遺伝資源の利用に関わる事業を行う場合は、国際合意や国内法を順守していくことが求められます。
ここでは保護対象の動植物種の密猟及び違法取引撲滅について書かれています。
企業としては、密猟や違法取引などをする業者と取引しないだけでなく、違法な野生生物製品を売買しないための啓発活動に参加していくなどが貢献策として考えられます。
ここでは生態系への悪影響となる外来種の侵入の防止と優先種の駆除等について書かれています。
貿易取引、外来種のペット取引や、外来稚魚の放流などが生態系への悪影響の原因となっていることがあります。企業としては、事業において生態系に悪影響を及ぼす可能性の高い取引をしないようにするとともに、生態系保護のための啓発活動に参加していくことが貢献策として考えられます。
ここでは、生態系と生物多様性の価値を国等の計画策定などに組み込んでいくことについて書かれています。
企業としては、生態系と生物多様性に関して国や地方の計画策定などを注視し、その方向性を確認しつつ事業計画を立てていくことが求められます。
ここでは生物多様性と生態系保全等のための資金動員と増額について書かれています。
企業としては、生態系と生物多様性保全に関して国や地方の予算計画などを注視し、それに対応した事業計画を立てていくことが戦略上重要になってくるかもしれません。
ここでは持続可能な森林管理のための資金提供・リソース動員について書かれています。
企業としては、事業・開発活動が森林に悪影響を及ぼさないか確認するとともに、持続可能な森林管理のための運動に協力的であることが今後求められるでしょう。
ここでは生活が苦しいがために密猟や違法取引に手を出すことの無いよう、地域コミュニティの能力向上等の支援を強化することについて書かれています。
企業としては、途上国に進出する際に、現地の人材を雇用していくとともに密猟や違法取引に手を出さないよう啓発していくことなどが支援策として考えられます。
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