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持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>17「パートナーシップで目標を達成しよう」

17「パートナーシップで目標を達成しよう」

SDGsの17番目は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。目標は「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」としています。パートナーとは利害を共にする仲間をいい、パートナーシップは仲間が共同で事業を営む状態や関係のことです。私たちは地球という一つの星で生活する住人であり、地球環境の変動は私たちの生活に大きな影響を与えます。持続可能な開発目標を達成するためには、争いや責任の押し付け合いをするのでなく、パートナーシップを活性化して皆が協力し合うことが大切です。

17「パートナーシップで目標を達成しよう」

世の中は争いと競争で満ちあふれています。弱肉強食の世界、勝った者が威張れる社会では、足の引っ張り合いや紛争が絶えません。競争相手とは争ったり、足の引っ張り合いをしたりすることはあっても、協力し合うということはほとんどありません。早い者勝ち、強いもの勝ち、あるいは大量生産したもの勝ちの世界では、乱開発や過剰生産が横行します。競争や争い事が過熱すると、社会は持続可能でない状況に追い込まれていきます。
持続可能な開発のために取り組んでいくには、たとえライバル同士でも協力し合わなければなりません。たとえ競争相手であっても、持続可能な取り組みについてはパートナーシップを結んで協力し合うことが必要になります。乱開発や過剰生産を起こさせないためには、争うのでなく助け合うことが大事なのです。
企業においてはこれまで、利益を追求し、市場で勝ち残っていくためにも、ライバルとの競争は不可欠と考えられてきました。今後もこのような考えはある程度持続されていくでしょう。しかし一方で、持続可能な開発を実現していくために、これまでライバルだった企業等とパートナーシップを結んでいくことが必要になってくるでしょう。企業は今まで以上に、パートナーシップの活性化をしていかなくてはならないのです。
なお、国連は「パートナーシップで目標を達成しよう」に関して19項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「パートナーシップで目標を達成しよう」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。


17.1 課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する。


ここでは持続可能な開発のための資源動員の強化について書かれています。
企業としては、事業活動する国での持続可能な開発への取り組みなどを注視し、その動向に対応した事業展開をしていくことが必要になってくるかもしれまえん。

17.1 行動方針案
・「事業活動する国での持続可能な開発への取り組みなどを注視し、その動向に対応した事業展開をしていく」

17.2 先進国は、開発途上国に対するODA をGNI 比0.7%に、後発開発途上国に対するODA をGNI 比0.15~0.20%にするという目標を達成するとの多くの国によるコミットメントを含むODA に係るコミットメントを完全に実施する。ODA 供与国が、少なくともGNI 比0.20%のODA を後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討することを奨励する。


ここでは先進国による途上国援助の実施等について書かれています。
企業としては、先進国による途上国援助の状況を注視し、その動向に対応した事業展開をしていくことが必要になってくるでしょう。

17.2 行動方針案
・「先進国による途上国援助の状況を注視し、その動向に対応した事業展開をしていく」

17.3 複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。


ここでは途上国のための追加資金源の動員について書かれています。
企業としては、途上国に進出する際はこのような資金の動向にも注視していきましょう。

17.3 行動方針案
・「途上国に進出する際は持続可能な開発のための資金の動向にも注視していく」

17.4 必要に応じた負債による資金調達、債務救済及び債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する。


ここでは途上国の債務負担軽減について書かれています。
企業としては、途上国に進出する際はその国の債務リスクについても動向を注視しておく必要があうでしょう。

17.4 行動方針案
・「途上国に進出する際はその国の債務リスクについても動向を注視しておく」

17.5 後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入及び実施する。


ここでは後発開発途上国への投資促進枠組みについて書かれています。
企業としては、後発開発途上国へ進出する際にはこのような資金の動きにも注意した方が良いかもしれません。

17.5 行動方針案
・「後発開発途上国へ進出する際には資金支援の動きにも注意する」

17.6 科学技術イノベーション(STI)及びこれらへのアクセスに関する南北協力、南南協力及び地域的・国際的な三角協力を向上させる。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める。


ここでは科学技術イノベーションに関する協力とアクセス、知識共有について書かれています。
企業としては今後、途上国でのイノベーションや知識レベルの向上を見越して事業を考えていくことが必要になってくるかもしれません。

17.6 行動方針案
・「今後、途上国でのイノベーションや知識レベルの向上を見越して事業を考えていく」

17.7 開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する。


ここでは途上国への技術支援について書かれています。
企業としては、先進国による途上国への技術支援動向を注視し、その中で事業機会を見つけ出していくことが大切になってくるかもしれません。

17.7 行動方針案
・「先進国による途上国への技術支援動向を注視し、その中で事業機会を見つけ出していく」

17.8 2017 年までに、後発開発途上国のための技術バンク及び科学技術イノベーション能力構築メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。


ここでは後発開発途上国のための実用技術の利用強化について書かれています。
企業としては、後発開発途上国へ進出する際にはこのような技術支援の動きにも注意した方が良いかもしれません。

17.8 行動方針案
・「後発開発途上国へ進出する際には技術支援の動きにも注意する」

17.9 すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。


ここでは、持続可能な開発目標実施のための途上国に対する国際支援強化について書かれています。
企業としては、持続可能な開発目標実施のための途上国への国際支援の動向を注視し、それに対応して事業計画を立てていくことが必要になってくるかもしれません。

17.9 行動方針案
・「持続可能な開発目標実施のための途上国への国際支援の動向を注視し、それに対応して事業計画を立てていく」

17.10 ドーハ・ラウンド(DDA)交渉の結果を含めたWTO の下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、公平な多角的貿易体制を促進する。


ここでは、オープンで差別のない公平な多国間貿易システムの促進について書かれています。
企業においては、これからの貿易体制の動向を注視し、それに対応して事業計画を立てていくことが必要になってくるかもしれません。

17.10 行動方針案
・「これからの貿易体制の動向を注視し、それに対応して事業計画を立てていく」

17.11 開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020 年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる。


ここでは、途上国の輸出力強化について書かれています。
企業においては、途上国に進出する際、その国からの輸出事業に投資していくなどが貢献策のひとつになるかもしれません。

17.11 行動方針案
・「途上国に進出する際、その国からの輸出事業への投資を検討する」

17.12 後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明で簡略的かつ市場アクセスの円滑化に寄与するものとなるようにすることを含む世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、すべての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する。


ここでは後発開発途上国の貿易支援について書かれています。
企業においては、後発開発途上国からの輸入ビジネスを拡大していくことで、間接的な支援となるかもしれません。

17.12 行動方針案
・「後発開発途上国からの輸入拡大を検討する」

17.13 政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進する。


ここではグローバルなマクロ経済の安定促進のための政策の国際協調などについて書かれています。
企業としては、今後の政策がより国際協調の色彩が強まると想定して事業計画を立てていった方がよいかもしれません。

17.13 行動方針案
・「事業活動している国の政策がより国際協調の色彩が強まるかどうか注視し、事業計画を考えていく」

17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。


ここでは政策の一貫性強化について書かれています。
企業としては、今後の政策がより持続可能な開発のための一貫性が強まると想定して事業計画を立てていった方がよいかもしれません。

17.14 行動方針案
・「事業活動している国の政策がより一貫性が強まるかどうか注視し、事業計画を考えていく」

17.15 貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。


ここでは、貧困撲滅と持続可能な開発のための各国の政策意思決定空間やそのリーダーシップの尊重について書かれています。
持続可能な開発を実施するのはあくまで各国の意思決定とリーダーシップによるものであり、どこか一つの超大国が他の小国に「俺の言うとおりにやれ」と命令するものではないとする考えかたです。
企業としては、事業活動をするそれぞれの国における意思決定やリーダーシップに注視し、どのような政策が確立・実施されるかを注目しつつ事業展開を進める必要が出てくるでしょう。

17.15 行動方針案
・「事業活動をするそれぞれの国における意思決定やリーダーシップに注視し、どのような政策が確立・実施されるかを注目しつつ事業展開を進める」

17.16 すべての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。


ここでは持続可能な開発のための途上国の目標達成支援のためのグローバル・パートナーシップ強化について書かれています。
企業としては、今後活発化するであろうグローバル・パートナーシップ動向に注視し、どのように技術や資金が動くかを注目しつつ事業展開を考えていくことも重要になってくるかもしれません。

17.16 行動方針案
・「今後活発化するであろうグローバル・パートナーシップ動向に注視し、どのように技術や資金が動くかを注目しつつ事業展開を考えていく」

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。


ここでは効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップの奨励・推進について書かれています。
企業としては、公的機関とのパートナーシップや他の企業やNGO等とのパートナーシップについて前向きに検討していくことが貢献策として考えられます。

17.17 行動方針案
・「公的機関とのパートナーシップや他の企業やNGO等とのパートナーシップについて前向きに検討していく」

17.18 2020 年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置及びその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。


ここでは途上国に対する能力開発支援の強化とデータ可用性の向上について書かれています。
企業としては、途上国に進出する際、その国の能力開発支援等に参加していくことなどが貢献策として考えられます。

17.18 行動方針案
・「途上国に進出する際、その国の能力開発支援等への参加を検討する」

17.19 2030 年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP 以外の尺度を開発する既存の取組を更に前進させ、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する。


ここではGDP以外で持続可能な開発の進捗状況を測る尺度の開発についての取り組みを全身させること等について書かれています。
企業としては、新しい尺度について注視し、それを考慮して事業計画を立てていくことが今後求められてくるかもしれません。

17.19 行動方針案
・「新しい尺度について注視し、それを考慮して事業計画を立てていく」

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