持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>16「平和と公正をすべての人々に」
SDGsの16番目は「平和と公正をすべての人々に」です。目標は「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」としています。平和とは戦争が無く穏やかに世の中が治まっていることをいいます。公正とは偏りが無く公平で正しいことをいいます。人々が戦争や迫害の脅威にさらされず穏やかに安心して暮らせるためにも、平和と公正を世界中で実現していくことが重要です。
戦争や内乱は人々の穏やかな生活を破壊し、多くの人々の生命を奪います。いつ戦争が起こるかわからないような状態では人々は安心して日々を過ごすことができません。不公正な社会では多くの人々が不満や憎悪を抱え、妬みや苦しみを感じながら日々を過ごすことになります。
世界中の人々が穏やかで幸せな生活をすることができるためには、平和と公正を世界中で実現していくことです。平和と公正が実現されてゆけば、人々の不満や争い事も少なくなるはずです。
企業においては、事業活動において紛争や不公正を引き起こすようなことをしないようにするとともに、平和と公正の実現に賛同し協力していくことが求められます。
なお、国連は「平和と公正をすべての人々に」に関して12項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「平和と公正をすべての人々に」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。
ここでは暴力の撲滅について書かれています。
企業においては、職場を含め事業活動を行うあらゆる場所での暴力撲滅に取り組むとともに、従業員の家庭内や取引先などに暴力撲滅の啓発活動をしていくことが大切になってきます。
ここでは児童虐待等の子どもに対する暴力等の撲滅について書かれています。
企業としては、子どもに対する暴力等撲滅の啓発活動に参加していくなどが貢献策として考えられます。
ここでは法の支配と司法への平等なアクセスについて書かれています。
企業においては事業活動において法を順守するとともに、争いがあったときに備えて国の司法制度についてもある程度学んでおくのが望ましいでしょう。また、法の支配と司法への平等なアクセス実現のための活動を支援していくことも大切かもしれません。
ここでは違法な資金・武器の流れの撲滅、盗まれた資産の回収、組織犯罪の根絶について書かれています。
企業としては、違法行為や組織犯罪等に関わらないのはもちろんのこと、それらに関わる企業等と取引しないようにしていくことが大切です。また、また、犯罪等に巻き込まれないよう予防措置を取っていくことも必要になってくるかもしれません。
ここでは汚職と贈収賄の撲滅について書かれています。
企業としては、汚職や贈収賄に関わらないのみでなく、それらに関わる疑いの強い企業等と取引しないようにしていくとともに、汚職・贈収賄に巻き込まれないよう予防措置を取っていくことが求められてくるでしょう。
ここでは平和と公正を実現するために、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させることについて書かれています。
企業としては、オンブズマンなど公的機関の公正さ・透明性等について監視をする組織をサポートするなどがこのターゲットへの貢献方法のひとつとして考えられるかもしれません。
ここではあらゆるレベルの意思決定のありかたについて書かれています。
企業としては、自社の意思決定のありかたについて見直すとともに、活動地域の行政やコミュニティの意思決定の改善を求めていくことも貢献方法のひとつとして考えられるかもしれません。
ここでは世界貿易機関などの国際機関への開発途上国の参加拡大・強化について書かれています。
企業としては、国際機関における途上国の発言力が増大していく可能性を見越して将来予測や計画を立てていくことが必要になってくるかもしれません。
ここではすべての人々が無償の出生登録を含む法的な身分証明を受けられることについて書かれています。
企業としては、途上国等に進出する際に、その国の法的な身分証明の制度を確認し、場合によってはその改善を支援することも貢献活動のひとつとなるかもしれません。
ここでは国内法や国際協定に従う情報へのアクセスや基本的自由について書かれています。
企業においては国内外の活動地域における情報へのアクセスや基本的自由の状況を把握し、場合によってはその改善を支援していくのも貢献活動のひとつとなるかもしれません。
ここでは特に途上国におけるテロ・犯罪撲滅や暴力防止のための国家機関強化について書かれています。
企業としては、テロ・犯罪や暴力に関わらないようするとともに、それらの撲滅のための国家機関強化を支持していくことが望ましいでしょう。
ここでは差別的でない法律と政策について書かれています。
企業においては、事業活動をするにあたって不当な差別をしないとともに、政府等が被差別的な法規および政策を推進、実施するよう働きかけていくことがSDGsへの貢献方法として考えられます。
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