持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>12「つくる責任、つかう責任」
SDGsの12番目は「つくる責任、つかう責任」です。目標は「持続可能な生産消費形態を確保する」としています。生産とは生活のためのなりわい、あるいは自然物を加工するなどして生活に必要な人にとって価値あるものを作り出す仕事をいいます。消費とはものを使い、費やすことをいいます。このゴールは、生産と消費が持続可能であることを確保していこうというものです。そのために、生産者および消費者には一定の責任があると考えています。
社会において人々は様々な生産や消費活動をしています。人々が生産や消費活動をするのは主に生活のためです。場合によっては趣味や娯楽、遊び、学習、ギャンブルあるいは紛争などのために生産や消費が行われることもあります。
生産活動はエネルギーを消費します。何かの材料を加工したり、組み立てたり、加熱したりして生産が行われます。生産に伴い、排熱、排気ガス、廃液、廃棄物などが発生することがあります。
消費活動もエネルギーを必要とします。消費によって大量の廃棄物が発生することは珍しくありません。売れ残りの商品や梱包資材、包装品など、廃棄物の発生が社会問題となることもあります。
消費も生産も環境に負荷を与えます。場合によっては、環境への負担が大きく持続可能とはいえない消費活動もあるでしょう。
企業においては、生産活動が持続可能であるように環境への悪影響を少なくしていくとともに、自社の商品を使用する消費者が環境を悪化させないように啓発活動や工夫をしていくことが求められてきます。
なお、国連は「つくる責任、つかう責任」に関して11項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「つくる責任、つかう責任」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。
ここでは10YFPの実施について書かれています。10YFPとは「持続可能な消費と生産に関する10 年計画枠組み」のことで、2012年にブラジルのリオで採択されたものです。この枠組みは6つのプログラムで構成されています。1つめは消費者が持続可能な選択ができるような消費者情報記載。2つめは持続可能な公共調達。3つめは持続可能な観光・エコツーリズム、4つめは持続可能な建物と建設、5つめは持続可能な食糧システム、そして6つめは持続可能なライフスタイルと教育です。
企業としては、事業を進めるにあたって10YFPの6つのプログラムの実施に協力するとともに、途上国等に進出する際にその国が対策を講じるための支援活動に参加していくことが求められてくるかもしれません。
ここでは天然資源の管理と利用について書かれています。天然資源とは自然の中にある人にとって有用な物質をいいいます。具体的には水や鉱物、森林、魚介類や野生動物などがあります。
企業としては、事業活動するにあたって消費する天然資源の持続的な管理や効率的な利用に取り組むとともに、途上国等に進出する際にその国が対策を講じるための支援活動に参加していくことが求められてくるでしょう。
ここでは小売・消費レベルにおける食料の廃棄および生産・サプライチェーンにおける食品ロスの削減について書かれています。
企業としては、食料関連の事業を進めるにあたって食品ロス削減に継続的に取り組むとともに、自社の食堂や休憩コーナーなどでの食料廃棄の削減などに取り組んでいくことが必要になっていくかもしれません。
ここでは、化学物質や廃棄物の適切な管理とそれらの放出の大幅削減について書かれています。
企業としては、事業を進めるにあたって化学物質や廃棄物を取り扱う場合、その管理や放出削減につて具体的に計画を立てて実施していくことが求められます。
ここでは廃棄物の大幅削減について書かれています。
ここでも企業としては、廃棄物の発生予防、削減、リサイクル、再利用促進による廃棄物の削減につて計画を立てて実施していくことが求められてくるでしょう。
ここでは持続可能な取り組みについての企業への奨励についてかかれています。
大企業・国際企業のみならず一般の企業も今後は、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むことが今後求められてくるでしょう。
ここでは持続可能な公共調達について書かれています。公共調達が持続可能であるとは、公共調達において一時的に使用するものでなく、将来的に継続的に利用できるものを選んで調達してくことをいいます。
企業としてできることとしては、持続的な公共調達についての調査、対応や提案などをしていきながら公共調達の受注拡大を目指していくなどが考えられます。
ここでは持続的な開発と自然と調和したライフスタイルについて情報及び意識を共有することについてかかれています。
企業としては、社内での情報共有と啓発活動、社外への啓もう活動、取り組みの情報発信、合同の勉強会などを推進していくことが取り組みのひとつとして考えられます。
ここでは、より持続可能な消費・生産形態に向けて動くための開発途上国への科学的・技術的支援について書かれています。
企業としては、途上国へ進出する際、開発途上国がより持続可能な消費・生産形態に向けて動くための支援活動に参加していくなどがSDGsへの貢献方法として考えられます。
ここでは、持続可能な開発によって、観光業がどのように影響を受けるかについて測定手法を開発・導入していくことについて書かれています。
企業としては、開発事業を進めるにあたって観光業への影響についての考慮し、また観光業を持続的に発展させていくための取組などをしていくことが大切になってくるかもしれません。
ここでは、浪費的な消費を促進する化石燃料に対する非効率的な補助金の合理化についてかかれています。経済を活性化するための補助金などが結果として浪費を促進して環境悪化に寄与してしまうことがあります。ただ、それらを一気に廃止してしまうと貧困層などが大きな打撃を受けるかもしれませんので、廃止により悪影響を受ける人々に手当をしながら段階的に廃止していくなど、各国の状況に応じてプランを立てながら合理化していこうというものです。
企業としては、化石燃料への補助金合理化などについて国の政策動向をにらみつつ、事業計画にその対応を盛り込んでいくことが必要になっていくでしょう。
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