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持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>14「海の豊かさを守ろう」

14「海の豊かさを守ろう」

SDGsの14番目は「海の豊かさを守ろう」です。目標は「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」としています。海洋資源といえばまずは魚介類などの水産物や食塩がありますが、さらに海洋に眠る鉱物や石油、メタンハイドレート、海流や海洋温度差などのエネルギーも海洋資源として含まれます。海は様々な生命を育む豊富な資源を持ち、その豊かさを守りながら利用していこうというのがこのゴールです。

14「海の豊かさを守ろう」

海は私たちの生活に多大な影響を与えます。海の豊かさは私たちに多くの恵みをもたらしてくれます。海の豊かさが失われれば、私たちの生活は大きな損害を受けることになるでしょうし、場合によっては人類を含めたさまざまな生命に危機的な影響を与えるかもしれません。
人間の活動によって海洋汚染、海の生態系破壊、資源枯渇などが引き起こされているのであれば、私たちは海の豊かさを守るためにもその活動を見直し、行動を変えていかなくてはなりません。そうでなければ、将来海の豊かさを失いかねないのですから。
企業においては、事業活動を進めるにあたって、自社の活動による海洋と海洋資源への影響を把握し、悪影響を及ぼさないようにしていくとともに、海の豊かさを守るための対策への支援や啓発活動に参加していくことが求められます。
なお、国連は「海の豊かさを守ろう」に関して10項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「海の豊かさを守ろう」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。


14.1 2025 年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。


ここでは海洋汚染の防止と削減について書かれています。
企業としては、事業活動において海洋汚染への影響を把握し、自社の活動が原因による海洋汚染の防止と削減に取り組むとともに、海洋汚染防止の啓発活動に参加していくことなどが求められてきます。

14.1 行動方針案
・「事業活動において海洋汚染への影響を把握し、自社の活動が原因による海洋汚染の防止と削減に取り組むとともに、海洋汚染防止の啓発活動に参加していく」

14.2 2020 年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。


ここでは海洋及び沿岸の生態系回復の取り組みなどについて書かれています。
企業としては、事業活動による海洋及び沿岸の生態系への影響を把握し、必要であればその悪影響の削減と回復への取り組みをしていくことが求められてくるでしょう。

14.2 行動方針案
・「事業活動による海洋及び沿岸の生態系への影響を把握し、必要であればその悪影響の削減と回復への取り組みをしていく」

14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。


ここでは海洋酸性化への対策について書かれています。
企業としては、事業活動による海洋酸性化への影響を把握し、必要であればその最小限化を図るために科学的研究や協力を進めていくことが必要ななってくると思われます。

14.3 行動方針案
・「事業活動による海洋酸性化への影響を把握し、必要であればその最小限化を図るために科学的研究や協力を進めていく」

14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020 年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。


ここでは水産資源保護のための漁獲規制、漁業管理につて書かれています。科学的な管理計画に従えばうまくいくのかどうか、各国の利害調整はうまくいくか、違法・無報告の漁業を規制するのはなかなか困難ではないかなど、目的の達成ひは難しい面も多そうですが、取り組まないわけにはいかない課題です。
企業としては、事業活動による水産資源への影響を把握し、その影響を最小限化するよう管理計画に積極的に協力するとともに、水産資源保護のための啓発活動に参加していくことが大切になってくるでしょう。

14.4 行動方針案
・「事業活動による水産資源への影響を把握し、その影響を最小限化するよう管理計画に積極的に協力するとともに、水産資源保護のための啓発活動に参加していく」

14.5 2020 年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10 パーセントを保全する。


ここでは沿岸域及び海域保護区域の数値目標について書かれています。
企業としては、国が指定する保護区域について、法を順守するとともに、保護のための啓発活動に参加していくのが望ましいでしょう。

14.5 行動方針案
・「国が指定する保護区域について、法を順守するとともに、保護のための啓発活動に参加していく」

14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020 年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。
**現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTO ドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。


ここでは過剰漁獲につながる補助金の禁止などについて書かれています。
企業としては、過剰漁業や違法・無報告の漁業をする業者と付き合わないようにするなどして協力する方法などが考えられます。

14.6 行動方針案
・「過剰漁業や違法・無報告の漁業をする業者と付き合わないようにする」

14.7 2030 年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。


ここでは、持続可能な海洋資源や観光の管理などによる、後発開発途上国等の経済的利益の増大について書かれています。
企業としては、途上国等に進出する際、その国で持続可能な海洋資源や観光の管理などへの啓発や支援活動に参加していくなどが貢献策として考えられます。

14.7 行動方針案
・「途上国等に進出する際、その国で持続可能な海洋資源や観光の管理などへの啓発や支援活動に参加していく」

14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。


ここでは海洋の健全性改善のための技術研究および途上国等への技術供与について書かれています。
企業としては、海外進出する際に途上国等の開発における事業において環境悪化を最小化していくとともに、必要であれば技術研究および途上国等への技術供与について前向きに計画することが貢献策として考えられます。

14.a 行動方針案
・「海外進出する際に途上国等の開発における事業において環境悪化を最小化していくとともに、必要であれば技術研究および途上国等への技術供与について前向きに計画する」

14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。


ここでは小規模の零細漁業者への支援について書かれています。
企業としては、小規模の零細漁業者が取引しやすいシステムを提供していくことなどが貢献策としてあるかもしれません。

14.b 行動方針案
・「小規模の零細漁業者が取引しやすいシステムを提供していく」

14.c 「我々の求める未来」のパラ158 において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。


ここでは海洋法に関する国際連合条約について書かれています。
企業としては、海洋に影響のある事業を進めるにあたっては、国際条約の動向にも注視することが求められてくるでしょう。

14.c 行動方針案
・「海洋に影響のある事業を進めるにあたっては、国際条約の動向にも注視する」

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