持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>11「住み続けられるまちづくりを」
SDGsの11番目は「住み続けられるまちづくりを」です。目標は「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」としています。包摂的とは多様性を受け入れて包み込むこと、強靭(レジリエント)とは弾力性があり回復力があることと解釈されます。都市や人間の居住地が持続可能であることは、人々の将来に不安を残さないためにも重要です。せっかく生活するのであれば、安心して住み続けられるまちに住みたいものです。
まちが住み続けられなくなるのは、何が原因なのでしょうか。どのようにしてまちは滅んでいくのでしょうか。人々が住み続けられるためには、まちづくりをどのようにすればよいでしょうか。
まちが抱える問題は多種多様です。問題によって将来に不安を抱えているまちは少なくありません。
噴火、地震、水害などの大規模災害、疫病の発生、戦争、内乱と暴動、水質汚染、技術の立ち遅れなどによる雇用の喪失など、都市が滅ぶリスク要因は様々です。
国連としては、スラム化の防止と改善、輸送システムの改善、人々の居住計画と管理、文化遺産・自然遺産の保護、災害対策、環境汚染対策、緑地や公共スペースの確保と利用の促進などが、住み続けられるまちづくりのための課題と位置付けているようです。
企業においては、事業活動をするうえで、より便利で安全、持続可能な街づくりに賛同、あるいは貢献していくことが重要になってくるかもしれません。
なお、国連は「住み続けられるまちづくりを」に関して10項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「住み続けられるまちづくりを」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。
これば、生活に必要な住居と基本サービスへのアクセス確保によるスラム改善をめざしたものです。
企業としては、国内外の主要な活動地域のスラム化防止、あるいはスラム改善活動に賛同あるいは協力していくことが一つの貢献策として考えられます。
ここで目指しているのは特に公共交通機関の拡充などによる輸送システムの改善です。
日本は交通機関の発達した国とされていますが、地域による利便性の格差が問題とされることも少なくありません。
企業としては、事業をしていくにあたって、交通安全や脆弱な立場の人々のための交通利便性を高める運動に参加していくことなどで何らかの貢献ができるかもしれません。
ここでは都市化と都市能力の強化について書かれています。
企業として貢献できることを考えるとすれば、都市の環境整備や美化運動について賛同、あるいは参加していくことなどがあげられます。
文化遺産及び自然遺産の保護・保全がここで出てきます。
企業としては、文化遺産及び自然遺産の保護・保全運動への賛同あるいは参加によって貢献していく方法もあるでしょう。
ここでは、災害による死者や被災者数の大幅削減が目標とされています。
企業としては事業活動している地域の住民と協力して防災・減災活動に参加していくなどが貢献策として考えられます。
ここでは大気汚染や廃棄物削減などの環境改善について書かれています。
企業としては、事業活動における汚染物質排出削減に継続的に取り組むとともに、地域の環境改善活動に賛同・参加していくことが求められます。
ここでは緑地や公共スペースへのアクセス確保による都市環境の改善が書かれています。
企業においては、事業活動において都市環境の悪化を起こさないようにするとともに、都市環境改善のための活動に賛同・参加していくことなどが求められます。
ここでは都市、都市周辺、および農村地域間の積極的な経済的、社会的、および環境的つながりの支援が書かれています。
企業としては、事業活動において都市部や農村地域などの経済的つながりの活性化に貢献していくとともに、社会的および環境面でのつながりの支援に賛同・参加していくことが大切になってくるでしょう。
ここでは持続可能な都市をつくっていくと共に、一定の政策や計画を実施したより持続可能な都市への居住者を増やしていくことについて書かれています。
企業としては国家の都市計画に関心を持つとともに、持続可能な都市への移住増大を見越して事業展開をしていくことが今後必要になってくるかもしれません。
ここでは後発開発途上国のまちづくりへの支援がかかれています。
企業としては、後発開発途上国へ進出する際、現地のまちづくり活動に関心を持ち、助言や参加をしていくことが一つの貢献となるかもしれません。
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