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安全設計と品質管理

核分裂エネルギーは爆発的に大きく、核反応は放射能を伴う危険なものです。ですから、原子力発電は何重にも安全設計が施され、万全の品質管理をもって決して事故や不具合が起きないようにしなくてはなりません。

安全設計と品質管理

原子力発電は、国家運営にかかわる重要なプロジェクトです。原子力発電所を設計し、建設、運営していくうえで、その「安全」と「品質」は絶対に間違いがあってはならない最重要課題です。
原子力発電が導入された初期段階からその安全については専門家による様々な検討と議論が行われ、発電所建設にあたっては二重、三重の安全設計が施されています。設計図面はしかるべき監査と検証と行われたうえで承認され、品質に関するチェックも何度も実施するよう取り決められています。
しかしながら、原子力発電における体制を見た場合、安全と品質に関わるさまざまな課題が浮き上がってきます。
巨額の費用がかかり、一度プロジェクトが始まると後戻りできない: 原子力発電所の建設は巨大なプロジェクトです。土地の調査などから始まり建設候補地が決まると地域行政への働きかけと住民への説得、用地の買収など、建設を開始する前からかなりの資金が動くことになります。
巨額の費用がかかるプロジェクトは、一度動き出すと簡単には後戻りできません。また、巨額の資金による利権構造が発生し、不具合が隠ぺいされやすくなります。
「安全神話」の徹底が不具合を見逃しやすくする: 原子力発電所建設における、地域住民に対する説明は原子力発電の安全性強調に終始します。いわゆる「安全神話」の徹底が原発誘致の基本となっているのです。
安全神話を流布し、徹底させることで、その危険性について人々が神経をとがらせることがなくなり、監視の目が緩みます。安全神話を多くの人々が信じ込むことによって、不具合が見逃されやすくなります。
現場作業者の課題: 原子力発電所の現場作業は被ばくを伴います。熱心に働く作業者ほど被ばくを受けやすく、健康被害を受けないためには被ばく線量の徹底管理が必要です。そして、一定の被ばく線量を越えたら、それ以上作業させないようにしなくてはなりません。線量の徹底管理をすると、どんどん作業者を交代させなくてはならず、熟練作業者が育たなくなります。
原子力発電所の現場作業の実態については派遣労働者の問題など様々な指摘があり、作業者の健康と発電所の安全に関して多くの課題を残しています。
原子力発電の安全と品質に関しては、ほかにもさまざまな課題が指摘されています。原子力発電を安全なものにするためには、これらの課題をクリアし、安全と品質に決して間違いがおきないようにすることが求められます。

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原子力発電とは

核分裂エネルギー
原子力とは基本的には核反応によって発生するエネルギーを言います。核反応は主に核分裂と核融合があります。現在商用で運転されている原子力発電はウラン・プルトニウムの核分裂エネルギーを利用しています。
原子炉
原子炉は安定的継続的に核反応をおこさせるための設備です。核分裂エネルギーは、爆発的なエネルギーとともに大量の放射性物質を発生します。原子力発電では原子炉にて核反応を制御し熱エネルギーを利用して発電します。
発電プラント
発電プラントは発電機によって電力を発生させます。発電機を動かすためには、動力が必要です。原子力発電プラントの場合は通常、核反応エネルギーによって加熱した水蒸気をつくり、これによってタービンを回します。

原子力発電の課題

放射性廃棄物
原子力発電所を運転すると放射性廃棄物が発生します。放射性廃棄物というのは、放射性物質が含まれる廃棄物です。放射性廃棄物の処理は危険性や環境への影響が懸念され、原子力発電の大きな課題になっています。
原発作業者とその健康
原子力発電所の運転を支えているのは、そこで働くひとりひとりの作業者たちです。作業者たちは場合によっては線量の高い地域で危険と隣り合わせの作業をしなくてはならず、その健康管理が大きな問題となっています。
安全設計と品質管理
核分裂エネルギーは爆発的に大きく、核反応は放射能を伴う危険なものです。ですから、原子力発電は何重にも安全設計が施され、万全の品質管理をもって決して事故や不具合が起きないようにしなくてはなりません。
事故発生時の対応
原子力発電所で事故が発生すれば、広範囲の人々に大きな影響を及ぼします。事故発生時の対応いかんによっては多くの人々の生命や健康を害し、地域・海洋の汚染を引き起こし、国際社会から批判されることになります。
原子力発電所の廃炉
原子力発電所も長期間運転を続けると、だんだん老朽化してきます。古くなった原子力発電所はいずれは運転をとりやめ、廃炉にしなくてはなりません。この「廃炉」についても原子力は大きな課題を抱えています。

原子力発電の今後

これからの原子力発電
様々な課題を抱える原子力発電ですが、今後どのようになっていくのでしょうか。原子力発電はこれからどうあるべきなのでしょうか。ここでは、原子力発電のこれからについて見ていきましょう。
原子力発電はなくすべきか
原子力発電はなくすべきだとする意見があります。原子力発電は危険であり、事故や放射性廃棄物など将来への不安を残すことから、決してエネルギー源として有望ではなく、今後廃止していくべきだというのです。
エネルギー政策の将来
エネルギー政策は今後、どのようになっていくのでしょうか。私たちは今後、エネルギーの利用に対してどのように考えていくべきでしょうか。ここではエネルギー政策の将来について少し考えてみましょう。

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