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原子力発電所の廃炉

原子力発電所も長期間運転を続けると、だんだん老朽化してきます。古くなった原子力発電所はいずれは運転をとりやめ、廃炉にしなくてはなりません。この「廃炉」についても原子力は大きな課題を抱えています。

原子力発電所の廃炉

原子力発電所を廃炉にするためには、発電所内にある放射性物質をすべて処理しなくてはなりません。廃炉によって、使用済み核燃料や廃液、作業者の衣服のみでなく、原子炉全体とタービン、配管、設備など施設の多くが放射性廃棄物になるのです。
廃炉にかかる費用は非常に巨額であり、原子力発電所の廃炉は将来にわたって巨額な負担を強いる「負の遺産」であるともいわれています。廃炉コストを計上すると、安いと電力会社等が主張してきた原子力の発電コストは実は割高になるといわれています。
電力会社は、できるだけ廃炉にするまでの期間を引き延ばしたいと考えています。廃炉によるコスト計上を先延ばしにして、電力コストを低く抑えるためです。
しかし、いくらコストを低く抑えたいからといって、いつかは廃炉にしなくてはなりません。
原子力発電所をいつ廃炉にするかは、単なるコストの問題ではありません。設計当初に想定された運転年数を超えて運転を続けることは、安全上のリスクを増大させることになります。
廃炉処理はまた長い年月がかかります。廃炉になっても原子力発電所をスグに取り壊すことはできません。何年経ってもその土地は他の目的に流用することがむつかしく、また放射能漏れのリスクも残ります。発電所が廃炉になることによって発電所周辺地域の雇用は失われます。
原発周辺地域は、原発関連以外の産業の多くが衰退しています。原発への経済的依存が高くなっており、それ以外の産業は育ちにくくなっています。そんな状況の中で原発が廃炉になり原発関連の雇用も失われてしまうと、地域経済が成り立たなくなってしまう可能性もあります。
廃炉は電力会社のみでなく、地域住民にとっても大きな負担となります。

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原子力発電とは

核分裂エネルギー
原子力とは基本的には核反応によって発生するエネルギーを言います。核反応は主に核分裂と核融合があります。現在商用で運転されている原子力発電はウラン・プルトニウムの核分裂エネルギーを利用しています。
原子炉
原子炉は安定的継続的に核反応をおこさせるための設備です。核分裂エネルギーは、爆発的なエネルギーとともに大量の放射性物質を発生します。原子力発電では原子炉にて核反応を制御し熱エネルギーを利用して発電します。
発電プラント
発電プラントは発電機によって電力を発生させます。発電機を動かすためには、動力が必要です。原子力発電プラントの場合は通常、核反応エネルギーによって加熱した水蒸気をつくり、これによってタービンを回します。

原子力発電の課題

放射性廃棄物
原子力発電所を運転すると放射性廃棄物が発生します。放射性廃棄物というのは、放射性物質が含まれる廃棄物です。放射性廃棄物の処理は危険性や環境への影響が懸念され、原子力発電の大きな課題になっています。
原発作業者とその健康
原子力発電所の運転を支えているのは、そこで働くひとりひとりの作業者たちです。作業者たちは場合によっては線量の高い地域で危険と隣り合わせの作業をしなくてはならず、その健康管理が大きな問題となっています。
安全設計と品質管理
核分裂エネルギーは爆発的に大きく、核反応は放射能を伴う危険なものです。ですから、原子力発電は何重にも安全設計が施され、万全の品質管理をもって決して事故や不具合が起きないようにしなくてはなりません。
事故発生時の対応
原子力発電所で事故が発生すれば、広範囲の人々に大きな影響を及ぼします。事故発生時の対応いかんによっては多くの人々の生命や健康を害し、地域・海洋の汚染を引き起こし、国際社会から批判されることになります。
原子力発電所の廃炉
原子力発電所も長期間運転を続けると、だんだん老朽化してきます。古くなった原子力発電所はいずれは運転をとりやめ、廃炉にしなくてはなりません。この「廃炉」についても原子力は大きな課題を抱えています。

原子力発電の今後

これからの原子力発電
様々な課題を抱える原子力発電ですが、今後どのようになっていくのでしょうか。原子力発電はこれからどうあるべきなのでしょうか。ここでは、原子力発電のこれからについて見ていきましょう。
原子力発電はなくすべきか
原子力発電はなくすべきだとする意見があります。原子力発電は危険であり、事故や放射性廃棄物など将来への不安を残すことから、決してエネルギー源として有望ではなく、今後廃止していくべきだというのです。
エネルギー政策の将来
エネルギー政策は今後、どのようになっていくのでしょうか。私たちは今後、エネルギーの利用に対してどのように考えていくべきでしょうか。ここではエネルギー政策の将来について少し考えてみましょう。

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