和の教育とは、多様性と自主性、そして協調性を重視した教育をいいます。和の教育では、異文化を受け入れ、さまざまな考えを吸収し、自主的に学ぶことが尊重されます。また、お互いに教え合い、励まし合って前へ進みます。そこでは、教育者もともに学び、成長していかなくてはなりません。教え子と共に愛しあい、励まし合いながら、自らを磨いていくのです。
教育とは教え、育てることです。人を教育するのは、その人が自ら学び、成長するのを促すためです。人は死ぬまで未完成で、一生学び続けなくてはなりません。なぜなら、人は学ぶのをやめたらスグに成長が止まり衰えてしまうからです。
真理や正義はひとつではなく、個人の価値はあやふやで人によって異なり、社会では真面目で責任感のある人が損をしやすく、自主的精神に満ちた人は利用されやすいです。学校の教育を信じて社会に出て、矛盾を感じる人は少なくないでしょう。それで学校の教育が間違っている、と思うのも無理もないかもしれません。
学校教育が間違っていると考えるのは、教師による、教科書に沿った教育に頼りすぎていると感じるからかもしれません。たしかに、教科書に書いてあること、あるいは教師が正しいを考えている価値観を一方的に植え付けているだけでは、あまり良くないかもしれません。
もちろん、学校教育は大切です。とりわけ知識が貧弱で知恵も働かないうちは、学ぶことの意味と大切さを知らなくてはなりません。教科書にはたくさんの正しくて大切なことが書いてありますし、教師は知識豊富で問題の解き方も良く知っています。自分であれこれ考えるより、教科書を読んで教師に教えてもらう方がスグに正解にたどり着くでしょう。
しかし、社会に出て問題に直面したときは、どうすればよいでしょうか。社会では、特定の教師がいるわけでも、決まった教科書があるわけでもありません。社会に出て直面した問題を解決するには、情報を集め、知識・知恵を持った人を探して、自分で考えて問題に取り組んでいかなくてはなりません。同じ問題でも解決方法は一つではありません。社会では多様性を知らなくてはならないのです。
多様性を知るには、一人の教師からずっと教育されるのではなく、価値観の異なる複数の教師、あるいは教師以外の立場の人、またあるいは海外の人からも教育を受けることが有効です。一つの教科書に沿って勉強するだけでなく、様々な資料や記事、論文なども活用し、そこから何を学びとれるかを考えると良いでしょう。自主性や協調性を促すには、生徒たちの好奇心を刺激し、また協力して何か成果を出すような課題を与えると同時に、教師が自ら学び、また教師同士が協調しあう姿を見せることが大切です。
他人に協調してうまく協力するだけでなく、他人に協力してもらうにはどうすれば良いかを学ぶことも重要です。和の教育は、組織化力を磨く教育でもあります。共に学び、ともに教え合う。そうしてお互いに成長しあうのが和の教育です。
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