合理主義とは理性・論理が一切を支配し、それらによってすべてが説明できると考える主義です。論理的、化学的な考えに基づく理性のみによって真理に到達しようとするので、理性論ともよばれます。合理主義は徹底して無駄を排していくので非常に効率的であり、また合理主義から見て理屈に合わない他の意見を受け入れないのて排他的であるといわれています。
合理主義はまた直感的な知性や感覚的な体験も否定しようとします。理性や論理に合わないものはすべて、合理主義からは否定されるべき対象になってしまいます。理性・論理で説明できないものはすべて排斥されるのです。
合理主義においては、世界はいわば巨大な機械のようなものであり、全ての現象は機械の作動原理を分析するように、数学解析によって導き出すことができるものです。メカニズムさえ解明されれば、何もかもが理性・論理によって説明できるというのです。
しかし、世の中は複雑です。理性や論理に合わないような現象が発生することも珍しくありません。理性や論理だけですべてを説明しようとしても、なかなか世の中の動きについていけるものではありません。
合理主義は近代の目覚ましい技術の進歩や産業の発達に貢献したといわれています。しかし一方で、世の中の多くの問題を解決できないまま、排斥し、無視してきたともいわれています。
現代の社会で私たちが直面する問題の多くは複雑で、理性や論理だけで解決できないものです。それらを解決するには常に全体像を見渡しつつ、直感や感覚的な体験を尊重しながら排他的にならずに取り組んでいく必要があります。
△脱欧に戻る