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19世紀帝国主義のなごり

19世紀帝国主義とは主に軍事力により植民地を拡大し、他国を征服するなどの侵略・膨張政策をとる主義をいいます。20世紀のはじめにレーニンが資本主義の「独占段階」を帝国主義であるとし、その「独占」資本主義大国によって地球の全領土が占領・分割され、また再分割のため戦争による奪い合いが行われるとしました。現在でも帝国主義というと資本や生産の集中により市場を独占し、圧倒的な力で世界を支配しようとする考えを想起させます。

19世紀帝国主義のなごり

「帝国」とは、もともと皇帝が統治する国のことをいいます。皇帝は王の中の王、多民族を統べる君主の中の君主の称号です。「帝国主義」というと、皇帝による政治体制をとる主義をいう場合もあります。皇帝が統治する帝国だからといって、独占資本主義により侵略・膨張政策をとるわけではありません。皇帝による統治を支持する「帝国主義」と、レーニンのいう19世紀資本主義列強国による「帝国主義」は別のものです。
19世紀における資本主義列強国による帝国主義は、20世紀に入って二度の世界大戦という悲惨な結果をもたらします。列強国が侵略・膨張政策を取り続けた結果、世界はさながら地獄絵図のような状況に陥ってしまいます。第二次世界大戦後は共産主義が台頭し、東西冷戦構造が始まります。
東西冷戦の時代には、植民地体制の崩壊がつぎつぎとおこりました。列強国による支配は終わり、民族独立の運動が活発になりました。どうやら、19世紀帝国主義はもうなくなってしまった、と思われるかもしれません。
しかしながら、金融資本の動きや国際紛争、軍事衝突など、いまでも国際情勢の中にはかつての19世紀帝国主義のなごりが見られます。市場を独占し、支配を強化して、間接的な形での植民地化を進めていこうという動きが、世界を暗い方向へ動かそうとしています。


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