自由市場とは自由主義の思想に基づく市場です。自由主義とは、出来るだけ個人の自由な権利と自発的な活動を尊重し、国家などから統制されないようにしようとする主義です。人々の自由意志や自発性による取引が活発に行われるため、効率が良く最大の利益を生むといわれています。個々の人々が自己の利益の為に日々取引を行うのが自由市場です。
自由市場はまた、弱肉強食の争いが繰り広げられる市場です。みんなが自由に市場競争を繰り広げるうち、だんだん勝ち組と負け組に分かれてきます。勝ち組は、資本を強化し情報を占有して、いっそう市場で独占的な力を持とうとします。自由市場は、持つ者と持たざる者の格差が拡大しやすい市場でもあります。
自由市場では、不正をして儲けようと悪だくみをする人も出てきます。自由市場では不公正な取引が行われないよう、常に監視をする必要があります。場合によっては、大資本家や政治家など強大な資本や権力を持つ者が不正をし、自由市場そのものが歪められることもあります。
自由市場であれば、常に国家の多くの人々が幸せで豊になるとは限りません。食料品その他の生活必需品の市場価格が高騰している場合などは、買い占めなどの行為を国家が制限しないと、一般民衆の生活が圧迫されるおそれがあります。緊急事態においては自由市場による流通をとりやめ、国家による配給が必要になってくるかもしれません。
自由市場は需給の調整や利益の最大化の点で優れているとされる反面、問題がおきやすい市場でもあります。自由市場には国家による監視や介入が必要な反面、監視や介入をしすぎるとせっかくの自由が失われてしまいます。国家の大多数の人々が豊かで幸せに暮らせるためにはどのように市場を見直すべきか、国家経済を運営するうえでの大きな課題です。
△脱欧に戻る